身の回りにある電子機器に欠かすことができないプリント基板は、電子部品を実装(はんだ付け)して、電子回路を構成させる目的で利用する板状の部品です。一般的なプリント基板は厚みがあるリジッド基板と呼ばれるもので、柔軟性はないけれども多くの電子部品を実装しても反り返りが起こらないなどの特徴を持ちます。フレキシブル基板は、デジタルカメラやスマートフォン、工場内で利用するロボットなど主に精密機器で狭い場所に使用することが多く、折り曲げて使えるといった特徴を持ちます。なお、プリント基板は製造工程の中で2つに分類することも可能で、それぞれPCBやPWBの呼び名が付いています。
PCBはPrintedCircuitBoardの略語で電子部品が実装された状態です。これに対して、PWBはPrintedWiringBoardの略語で電子部品が実装されていない通称「生基板」と呼ばれているものを指します。これらは製造工場の中で実装済みと未実装のプリント基板を区別するときに利用される呼び名です。自社工場でプリント基板の製造から部品の実装までを完結している企業もありますが、多くの場合が基板を製造する会社と電子部品を実装して製品に組み込むメーカーに分類されます。
分業を行うことで、基板製造などの専門性が活かされることや設備の維持管理がしやすくコストを抑えられるなどのメリットがあります。そのため、製品を製造するメーカーは他社に基板製造を委託して、それを購入して組み立てを行う形が一般的です。